笑いの大学という映画
ずいぶん前に観たおぼえがある。
話は戦時中
登場人物は面白い作品を紡ぐ作家と世の中に喜は無用と考える検閲官
当時の日本には表現行為の検閲があり,
行政が不適切と考えるものは発表ができなかったらしい。
検閲官は作家が持ち込む喜劇の上演など許すはずもなく,
上演を阻止するため無理難題をふっかける。
作家は何とか検閲をパスしようと作品に手直しを加える。
作家の手直しは検閲官の無理難題を受けて行われる。
作家と検閲官の関心は異なる方向から,
作品に向けられることになる。
両者の強い信念が,結果として作品を磨き,
皮肉なことに作品は面白くなってゆく。
作品の完成度が高まるのだ。
相容れない信念の作家と官吏の間には絆が生まれる。
しかし,逃れがたい戦禍が国を残りなく覆い始めた。
作家の下にも戦地への召集令状が届く。
いつもの取調室。
検閲官は作家へのダメ出しを楽しみにすらしていた。
しかしその日,作家は検閲官に赤紙が届いたことを短く伝えた。
自分の手で上演することができそうにないことも。
すると検閲官は職責を離れ,
生きて帰ってくること,
自分の手で上映すること,
を伝えた。
確かこんな話。
ちょうど映画を見た時期が今時分だったはず。
今日は終戦の日